大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(ラ)296号 決定

民事訴訟法第五百四十七条(同法第五百四十九条により準用せられる場合また同じ)による強制執行停止決定は、口頭弁論を経ずしてなすことをうるものであるところ(同条第三項)、同法第五百五十八条には、強制執行手続において口頭弁論を経ずしてなすことをうる裁判に対しては、即時抗告をなしうる旨が定められているので、右決定に対しては、当然即時抗告が許されるかの観がある。しかしながら、元来民事訴訟法第五百四十七条による強制執行停止決定は、同法第五百四十五条、第五百四十六条または第五百四十九条による異議の訴の提起が当然に強制執行停止の効果を伴わないため、右訴の提起にかかわらず強制執行が行われ、結局異議の訴を無意義にするおそれのあることにかんがみ、異議の訴に附随してその判決がなされるまでの間一時的応急的に強制執行の停止を命ずるものであるから、これに独立した不服申立を許すことは、必ずしもその必要がないばかりか、かえつて不適当と認めるべきである。更にこれを民事訴訟法第五百条による強制執行停止等の裁判の場合と対比してみるのに、同条による裁判もまた口頭弁論を経ずしてなすことができるにかかわらず、右裁判が実質上の審査をした上与えられたときは、これに対して不服申立が許されないことは、同条第三項の規定及び同項の解釈に関して下した数次の大審院の決定が示すとおりであつて、これ右裁判が本案の裁判に附随した一時的応急的性質のものであるため、独立した不服申立を許すことがかえつて不適当であることを主たる理由とするものに外ならない。しからば、右の点につき全くその性質を同じくする前記第五百四十七条の強制執行停止決定に対しても、右第五百条第三項の趣旨を類推して不服申立を許さないものと解するのが相当であつて、第五百四十七条の裁判につき第五百条第三項のような明文がなくかえつて第五百五十八条の規定がある故をもつて反対に解することは、いたずらに法文の外形にとらわれ実質を省みない誤りを犯すものというべきである。

(奥田 牧野 青山)

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